2021年春向けランドセルの選び方―外出自粛中にどうすれば?―
展示会が中止・延期になったり、お店が休業になったり、2021年春に新入学を迎えるお子さまをお持ちのママ・パパは、予定が立たなくてトホホ状態かもしれません。でも、大丈夫! ランドセルはちゃんと製造されていますから、買うのが遅くなってもそれほど心配はありません。それに外出自粛の影響で、全体的に購入時期が遅くなる可能性も大。むしろ、あせらずじっくり購入計画を立てられますよ。
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Lesson0
現段階で、すでに購入するブランド・工房・メーカーが決まっている方は、早めに、その会社のホームページに行ってお店の営業状況や販売予定などの情報をキャッチして、購入計画をたててください。そして、特定のお店にこだわらない方は、Lesson1以降を読んで、ランドセル選びの基本をマスターしてください。
Lesson1
●最低限守りたいのは6年間修理保証
どんなランドセルを買うにせよ、基本的におすすめしたいことは、6年間修理保証(ランドセル工業会の保証とメーカー独自の保証がある)がついているランドセルを選ぶこと。ランドセルナビでご紹介しているお店やメーカーや、全国的に有名なところは、6年間の修理保証がついています。
逆に、6年保証がないランドセルを選ぶときには、必ず購入時に実物を見て、店員さんの説明と親御さん自身の目で、品質が良好であることを確認してください。保証がないランドセルをネットで見ただけで購入することは絶対にやめましょう。
Lesson2
●子どもの体型とランドセルの関係
今売られているランドセルの多くは、教科書など中に入れるものが増えてきたために、10年前と比べてもだいぶ大きくなっており、大人の女性が背負ってもカッコ悪くないくらいです。
そのため、小柄・細身のお子さまだと、入学1年前ではフィットしにくいランドセルもあります。特に細身の子は、5、6月だと肩ベルトが肩からずり落ちてしまうこともあるので、もう少し成長した10月~12月頃に選んだほうが本当は安心です。限定モデル以外なら、その時期でも十分に間に合いますし、今年は新型コロナの影響で、遅くなっても平年より選択肢が広くなる可能性もあります。
もちろん、標準・大柄のお子さまでも、肩の形状によってフィット感は違ってきます。商品によって微妙な違いがあるので、いろんなメーカーの商品を背負ってみることをおすすめします。なお、子どもの成長にあわせて肩ベルトが交換できるランドセル(ララちゃんランドセル)もあります。
※ただし、品質のよいランドセルは、大人用のリュックや靴などと同じように、使っているうちに体になじんできます。6年間修理保証がついているランドセルであれば、それほど神経質になることはないとも言えます。
Lesson3
●価格。主流は4万円~7万円
ランドセルの価格は、修理保証があるもので3万円台から20万円ぐらいまでとさまざまです。布製のものや、特売やアウトレット商品なら3万円未満のものもあります。
その中で、いちばん多く売れている価格帯は4万円~7万円。
子どもは、ランドセルを見るとき価格の違いなど気にしません。ですから、購入費を抑えたい場合は、まず親御さんが事前に各メーカー・店舗の商品をチェックして予算にあう価格の候補を複数選んだうえで、お子さまに「どれがいいかな?」と見せてあげるようにしてください。
以下、参考までに価格の違いに影響する要素をあげておきます。
・天然皮革のものは、人工皮革より少し高い場合が多い。
・飾りや特注の部品がついていると作業工程が増えるため少し高い。
・人気の工房や人気ブランド・キャラクターのランドセルは少し高い。
Lesson4
●ランドセルの重さ。数値表示だけで選ばないで!
ランドセル本体の重さは、1kg前後から1.5kg前後くらいまでです。ほとんど場合、商品のタグに重さが表示されています。軽いほうがいいのは確かですが、数値だけで比べるのはやめましょう。大人が手で持ってみることと、子どもに背負わせてみることが大事です。
持ってみると、想像より軽いと感じるでしょう。各メーカーともランドセルの軽量化に心血を注いでいるので、大人の革カバンなどと比べてどれもとても軽くなっているのです。
重く感じるか軽く感じるかは、背負い心地と大きく関係しているので、単純に重いほうがつらいとも言えません。多くのお店の方が言うには、子どもは、親が軽いほうを選んでくれると知っているので、買って欲しいランドセルを、たとえ他より重たくても、「軽い」ということがよくあるそうです。
また、どちらかといえば、牛革などの天然皮革のほうが、クラリーノなどの人工皮革より重い傾向がありますが、これも少しの差です。
少しでも軽いランドセルを選びたい方は、表示重量より、むしろ背負ったときのフィット感をチェックして選んだ方がよいと思います。(ランドセルを正しく背負う方法については、コチラからチェック)
以上、Lesson4 までで選んでもそんなに心配はありませんが、より詳細なチェックポイントを知りたい方は、Lesson5以降もどうぞ。
Lesson5
●素材選び。天然皮革か人工皮革か、その他か?
最近買われているランドセルの素材は、人工皮革(主流はクラリーノ、その他ベルバイオなど各種ある)が全体の8割程度、天然皮革(牛革、コードバン)が残り2割程度となっています。また、ほかに布製のリュックを、ランドセルとして売っている場合もあります。
以前は、人工皮革は格下といったイメージがありましたが、今どきの人工皮革は見た目も耐久性も6年間使うのに十分な品質になっていて、実用面での差はなくなっています。好き好きで選んでOKです。
ただし、6年間使い終わったあと、そのままのかたちで、あるいは小さなメモリアルランドセルに作り替えて保存したい方は、天然皮革がおすすめです。
Lesson6
●ランドセルのかたちについて
だれもがイメージするランドセルは縦長のものですが、最近は横長のものもあります。
また主流の縦型のランドセルの中にも、昔ながらの伝統的な学習院型(本体の縁が出ているもの)と、キューブ型のものがあります。
さらに、カブセ(フタのこと)が下まで届いて本体の底に錠前がついている従来型のものと、少数ですが、半カブセと言ってカブセが途中までで側面に留め金がついているものがあります。
どれを選ぶかは好き好きです。色やデザイン、他の機能と総合してお気に入りを選べばいいと思います。
実用面での違いは、錠前が本体底についている従来型のものは、ランドセルを倒してモノを出し入れします。半カブセだとランドセルをたてたまま出し入れができます。
また、本体底についている錠前は、取り外しがとてもスムーズでびっくりするほど。実際に使ってみて確認してください。
横型のランドセルの注意ポイントとしては、低学年のうちは、背中の幅よりランドセルの幅のほうが大きくなるので安全面でちょっと心配かもしれません。
Lesson7
●背負いやすいランドセルとは?
ランドセルを重いと感じるか感じないかは、多くの場合背負いやすさに起因しています。その背負いやすさに大きな影響を与えているのは、ランドセル本体と肩ベルトをつなぐ背カンと肩ベルトの形状です。
背カンと肩ベルトの種類について以下に記しますが、その前に、どのタイプであれ、実際に正しく背負って決めたほうがいいのは確かです。「正しく」とは、カンタンに言えば、背負ったとき、背中にランドセルが密着していること、そのとき子どもの姿勢もランドセルも傾いたり曲がったりしていないことです。
さて、背カンには、1:左右のベルトの付け根が連動して開く「連動背カン」(天使のはね)と、2:左右が連動しない「非連動背カン」(フィットちゃんなど)、3:昔ながらの付け根が固定されている「固定背カン」があります。
また別の分類として、ランドセルを立てて置いたとき、肩ベルトが本体とのつなぎ目から立ち上がる立ち上がり背カンと、立ち上がらない背カンの2タイプがあります。
さらに、肩ベルトも背負いやすさを追求して、S字カーブを施したり、素材にこだわったりと、各社各様に背負いやすさを追求しています。
現在の主流は、立ち上がるタイプの「連動背カン」と「非連動背カン」ですが、それでもすべての子の体型にフィットするとまでは言い切れませんし、背負っているうちにその子の体型になじんでくるということもあります。定評のあるメーカー・店舗であれば、そんなに心配することもないのですが、無名の格安ランドセルを購入する際には、背カンや肩ベルトは、その品質も含めてもっとも注意していただきたい部品です。
Lesson8
●どんな色を選んだらいいか?
「男の子は黒、女の子は赤」という時代はもうとっくに終わっています。今や、人工皮革だけでなく牛革などの天然皮革も、20色以上のラインナップがあるメーカー・工房が多数あります。さらにコンビカラーだったりヌメ革だったり、マット系、光沢ありなど、大人のバッグと同じようにさまざまな色・風合いのランドセルがあります。
色は子どもがランドセルを選ぶ際にもっとも注目するポイントです。問題なければ、お子さまのお気に入りの色を選んであげてください。
個性的な色だと学校で浮くのでは?という心配をする親御さんもおられますが、ほとんど心配はないと思います。まあ、住んでいる地域によって違いはあるでしょうから、心配なら、念のため入学する小学校の生徒のランドセルを見ておくと安心です。
また、淡い色だと汚れが目立つのでは?という心配もほぼ不要です。ランドセルには汚れ防止加工がしてあるので、大人のバッグのような手入れはいらないのです。もちろん子どものことですから想像を超えた汚れをつけてくることもあるかもしれませんが、その場合はどんな色でも同じこと。汚れを心配して淡い色を避ける必要はありません。
子どもが選んだ色が子どもっぽくて高学年になったとき恥ずかしいのでは?と心配する親御さんもいますが、たぶんその心配もあまりないでしょう。なぜなら、毎日使うランドセルは、背負い始めるといつのまにかその子になじんでしまい、本人はもちろん家族も友だちもあまり意識しない縁の下の力持ち的な存在になるからです。
というわけで、できればランドセルの色は親子で話し合って決める、どうしても意見が合わないなら、子どもの意見を優先してあげるのがいいのではないかと思います。
Lesson9
●ステッチ、刺繍、チャーム、鋲などの飾り、名入れについて
今どきのランドセルには、さまざまな飾りがついています。もちろん好き好きで選べばいのですが、どんなものがあるか一応説明しておきましょう。
まず刺繍。コンピュータミシンによる、さまざまな刺繍。女の子向けにはロマンチックなハートや花柄、男の子向けにはシャープなデザインなど、各メーカー、さまざまな刺繍を施したランドセルを作っています。刺繍のほとんどは子ども目線で施されたものです。
ほかに、子どもが注目するものとして、カブセ(フタ)の下の左右についている鋲があります。男の子向けだと、サッカーボールや車を模したもの、イナズマふうなど、女の子むけ だと花、リボン、ハートマークなどがあります。この鋲が選べるメーカーや、複数購入して自宅で交換可能なお店などもあります。
また、ファスナーを引っ張る持ち手部分のチャームに工夫をこらしたランドセルも、多数あります。
以上がどちらかというと子ども目線で施された飾りですが、もうひとつ注目したいのが、ステッチの色です。それほど目立ちませんが、ランドセル全体の印象を左右します。黒のランドセルでも、ステッチが赤だったり青だったりすると、ずいぶん印象が変わってきます。大人目線で見ても、楽しい選び方ができると思います。
最後に、飾りとはいえませんが、多くの工房・メーカーがオプションやサービスとして取り入れているのが、名入れです。名前を縫い込んだり、金属板に彫り込んだり、入れる名もアルファベット、ひらがな、漢字とさまざま。名入れは、ランドセルへの愛着を一層かき立ててくれるでしょう。
Lesson10
●オーダーメイドと、ランドセルの買い方について
多くのメーカーが実施しているオーダーメイドランドセルは、本体の色、へりの色、ステッチの色、内張の柄、鋲、刺繍などを自由に選んで注文するシステムです。選べるパーツはメーカーによってさまざま。何億通りものランドセルが作れるメーカーもあります。多くの場合、ネットにシミュレーションシステムがあるので、そこで自由自在に組み合わせて検討することができます。
ただ、自由自在にパーツが選べると、どっちがいいか迷うことも増えてきます。親子の希望が違ってけんかになるといったことないわけではありません。オーダーメイドランドセルを選択するときは、親子で楽しみながらパーツを選ぶことを原則にしてください。
最後に買い方ですが、ランドセルの場合、ネットでも実店舗でも「これください」といってお金を払い、その場でランドセルを受け取れる即納のお店は少数派です。多くの工房・メーカーが、注文を受けてから一定の期間の後に自宅に送付するシステムを採用しています。
そのため、注文時には、いつごろ届くのか聞いておくことが大事です。もちろんLesson1に書いた信頼できるメーカーであれば、入学式に間に合わないといったことはありませんからご安心を。