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小1からの塾&通信教育の取り組み方をプロ家庭教師・西村先生がアドバイス

西村則康先生

小学校入学前の親御さんにおくるアドバイス第二弾は、塾や通信教育の選び方と活用法、子どもが塾に行きたいと言ったときの対処法などについてとりあげます。小学校入学前にどの程度準備しておいたほうがいいのか? 第一弾につづき、プロ家庭教師の西村則康先生(名門指導会)にお話をうかがいました。

西村則康先生の著書&プロフィール

目次

第1回:塾、通信教育など学校外学習に関する基本的な考え方

●10分の我慢ができるか市販の問題集でチェック

ランドセルナビ:小学校に入学したら通信教育を受けさせたり、塾に入れたりしたほうがいいのではないかと思っているお母さんも多いと思います。周囲の情報に惑わされず、上手に学校外学習を選ぶにはどうしたらいいでしょうか。

西村則康先生(以下、敬称略):小学校入学前から塾に行かせようか、通信教育をやらせようかなどと考える前に、確認しておかなければならないことがあります。通信教育の場合なら、算数と国語、それぞれ10分くらい、机の前に座って何か作業ができる状態が作れているかどうか、それをチェックしたほうがいいでしょう。

1年生で、学校準拠のドリルを1日に1、2枚程度、時間にしてそれぞれ10分ぐらいやるという習慣を身につけていないと、通信教育は無理です。実は10分間の我慢ができない子は、意外に多いのです。そういう子に通信教育をさせても親のストレスが高まるだけです。

ランドセルナビ:なるほど。使うドリルや問題集は、本屋さんで買えるもので大丈夫ですか?

西村:市販されている学校準拠問題集で十分です。というより、市販されている準拠問題集やドリルのほうが効果的な場合も多いのです。

実は通信教育の場合、例題とそのあとにある練習問題の落差が大きすぎるものが多いのです。例題で理解できた気になっても練習問題にはいって手こずり、添削問題にすすめないという子が多い。そうなると親もストレスを抱えてしまいます。

ランドセルナビ:わざわざ通信教育をやらせる前に、市販の問題集を使うという選択肢もあるわけですね。この方法は、小学校入学前からやったほうがいいのですか?

西村:入学してからのほうがいいでしょう。入学以前にするのは、幼児向けのなぞり書きなどで十分。それを5分間、楽しみながら机の前に向かってやるといいと思います。

●1年生の偏差値や点数では何もわからない

ランドセルナビ:塾はどうですか? 中学受験を考えていたりすると「行かせなくちゃ」と考えてしまう親御さんも多いと思うのですが。

西村:小学校1年生の段階で、塾の使い方というのはなかなか難しいですね。この時期は、正解を出すことより、正解に至るまでに何をどのように考えて、どんな作業をしたかというプロセスが大事なんですね。それを塾の先生がみてくれればいいのですが、そういうところは少ない。となると、親がみられるのは順位と偏差値だけになるので、そこにこだわってしまう傾向があるのです。

ランドセルナビ:確かにプロセスは評価がしにくいですね。

西村:何が困るかというと、この段階で偏差値や点数にこだわっていると、わが子の能力を見間違う可能性があるんですね。小学校1年生の段階で、偏差値を出して何かわかるかといえば、ほとんど何もわかりません。答案に反映されるもの以外の能力のほうが、この時期はずっと重要なのです。

ランドセルナビ:点数や偏差値で、わが子の能力を見てしまう傾向が高いのは心配ですね。

西村:はい。心配です。この時期の点数が悪くても将来ぐんぐん成績がのびる子、いわゆる「後のび」する子がいるのですが、そういう子のことを、「うちの子、できない」と思ってしまう親御さんが多いのです。

点数が悪くても後のびする子は、ひとつの問題にのめり込むのです。一生懸命になって、次の問題にいきつけない。でも、ひとつの問題にのめり込めるというのは、決して悪いことではありません。そういう子は、将来的にのびるんです。

ランドセルナビ:どうすればいいのでしょう。通信教育の代替案として市販の問題集やドリルがとても役に立つとうかがいましたが、塾の代替としても利用できますか?

西村:十分に使えると思います。ただ、教えるという姿勢ではなく、親子で一緒に問題を楽しもうね、という姿勢で家庭学習をやってほしいと思います。

ランドセルナビ:塾に行かせるべきかどうか考えて、それが可能な場合でも、この時期は親子一緒に問題を楽しみながら解いたほうがいい、ということでしょうか。

西村:はい。国語と算数、それぞれ10分ずつでいいんです。合計20分だから、仕事のある方でもなんとかなるのではないでしょうか。

●小学校3年生までは塾に通わせる必要はない

ランドセルナビ:スタッフの知り合いにも小学校1年生から塾に通わせている人がいるのですが、やはり、これでよかったかどうか判断がつかないそうです。しかしお子さんは名門中学に行くと言い出しているそうです。

西村:1年生から塾に通わせるとなると、なかなか大変なだと思います。低学年が通う塾にも能力開発系と受験先取り系があります。受験先取り系の塾だとすると、本質を理解せずに正解を出すための手順だけを覚えるようになる傾向があるのです。暗記力があれば、点数はとれるのですが、暗記頼りの受験勉強をしていくと、4年生以降、のびなくなってしまいます。

ランドセルナビ:能力開発系にはどんな塾があるのでしょうか。たとえばサピックスなんかはどうなのでしょう。

西村:サピックスは教材が能力開発系なので悪くはないです。ただ、テストの偏差値が毎月でてしまい、成績でクラス分けをし、座席まで決められることもあります。そうすると、子どもも親も、点数ばかりにこだわるようになる。これがよくありません。

もし能力開発系に行かせるのであれば、順位や点数は気にしないと決めて、子どもが楽しんでいるなら行かせる。それくらいのスタンスでいられるのであれば問題はないと思います。 でも、基本的なことですが、小学校3年生までは、塾に行かせる必要はまったくありません。

ランドセルナビ:その時期は、学校準拠の問題集を親子いっしょに解いて、勉強する楽しさを味わわせたほうがいいということですね。

西村:そうです。そして、学校準拠の問題集をサラサラ解いてしまい、「お、うちの子、頭がいいな」と思ったときは、それ専用の問題集などもいっぱい出ていますから、使うといいでしょう。

ランドセルナビ:子どもが楽しんで問題集を解いているなら、次から次へと買ってやらせればいいということですね。おすすめの問題集はありますか?

西村:たとえば『天才脳ドリル』『最上級問題集』『スーパーエリート問題集』などです。『論理エンジン』もいいですね。ただ、論理エンジンに入る前の1冊があり、これがとてもいい。『はじめての論理国語』というタイトルです。

2021/09/10


第2回:子どもが塾に行きたいと言ってきたとき親の対処法

●塾を子守代わりに使わないようにしましょう

ランドセルナビ:1年生から塾や通信教育をするのに向いている子や親、反対に向いていない子や親は、どんなタイプなのでしょうか。

西村:5分、10分の我慢ができない子や、親のほうが一喜一憂しすぎるタイプは向いていないといえるでしょうね。その反対の人は、向いていると言っていい。

それから、塾を子守がわりに使わないということも大切です。塾に行かせておけば親の自由時間が確保できる。そういう考え方の親御さんが意外に多いのです。それはあまり良い結果にはつながらないと思います。

ランドセルナビ:親の時間確保のために塾を使うくらいなら、子どもと一緒に過ごしたほうがいいということでしょうか。

西村:親が子どもにかかわれる時期というのは、せいぜい小学校1年生から6年生の間くらいです。中学生になれば、子どもとのかかわりは激減します。子どもと積極的にかかわれるのは、誕生からほぼ10年間ぐらいしかありません。二度とない、とても貴重な時間なのですから、ぜひ子どもと一緒に過ごすために使ってほしいと思います。

ランドセルナビ:親が自分の自由時間を増やすために塾に行かせるよりも、子どもと積極的にかかわる。そのほうが、子どもの成績はよくなると言ってもいいんでしょうか。

西村:そう断言してもいいと思います。

●子どもの学習習慣づくりに親の助けは不可欠です

ランドセルナビ:子どものほうから塾に行きたいと言ってきたとき、親はどうすべきでしょうか。

西村:進学塾にしろ能力開発系の塾にしろ、塾に行かせるのであれば、親がちゃんと考えておかないといけないポイントがあります。どういうことかというと、子どもが学習習慣を身につけられるかどうか、ということです。

勉強の量や質だけではなく、毎日、どの時間帯を使って学習をするのか。勉強の習慣が身につけられるかどうか。これを子どもまかせにしていると、なかなか身につかないんですね。ついつい気分で勉強する、しないを決めるようになってしまいます。 とりあえず塾に行かせてみようか、というスタンスだと、よくない習慣が身につく可能性があるのです。

ランドセルナビ:生活の中でメリハリのある学習習慣を身につけられるよう、親がちゃんとみてあげる必要があるわけですね。

西村:はい。それがいちばん重要です。

●宿題の意味を子どもに教えてあげよう

ランドセルナビ:具体的に、どのように親がサポートすればいいでしょうか。

西村:小学校低学年ならば、最初は学校の宿題を使うといいでしょう。特に小学校3年生までは、学校の宿題は完璧にやってほしいと思います。それも課題をこなすだけではなく、なぜその宿題が出ているのかを親が理解して、子どもに教えてあげてほしい。

たとえば漢字を10回書きなさいという宿題があったとしましょう。男の子がよくやるのですが、最初にへんだけを10個書く。次につくりを10個書く。そうやって、いかに早く書くかを考えることが多いのです。こうなってしまうと困ります。

ランドセルナビ:宿題の意味を教えてあげないといけないわけですね。

西村:はい。音読の宿題も同じです。音読の宿題というのは、お母さんの前で読み、正確に読めているかどうか、お母さんのサインやはんこをもらってきなさいというのが多いのですが、これをサボる子がどんどん増えてきます。なぜかというと、お母さんのほうでも、1、2か月やると飽きてしまうんですね。すると、子どもがお母さんのサインをマネして書いてしまったりする。あるいはお母さんが子どもに三文判を渡して自分で押させていることもあるのです。

ランドセルナビ:音読は言葉の能力や考える力を養うにはとてもいい学習方法だと思うのですが、親も音読を大切に思っていないということですか?

西村:音読の意味や価値がわかっていないのでしょう。ところが、受験勉強が本格的に始まると、ネットの情報や本に「音読が大切」などと書いてあるのを見て、急に「音読しなさい」と言う親が多くなる。

そうならないためにも、小学校の音読の宿題は、きちんと意味を子どもに教えてチェックする必要があるのです。これを親子で楽しみながらできるようにするといいですね。

2021/09/17

※次回は9月24日掲載(予定)

◎第一弾:「小学校入学前のママ・パパへのアドバイス」はこちら


■西村則康先生プロフィール

40年以上、難関中学、高校受験指導一筋のカリスマ家庭教師(名門指導会)。日本初の「塾ソムリエ」としても活躍中。
暗記や作業だけの無味乾燥な受験学習では効果が上がらないという信念から「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。学習指導だけでなく、受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーション術もアドバイス。コーチングの手法を取り入れ、親を巻き込んで子供が心底やる気になる付加価値の高い指導が評判。
これまでに多くの子どもたちを、開成中、麻布中、武蔵中、桜蔭中、女子学院中、雙葉中、灘中、洛南高付属中、東大寺学園中などの最難関校に合格させてきた実績を持ち、テレビや教育雑誌などでも積極的に情報発信を行い、保護者の悩みに誠実に回答して熱い支持を集めている。
著書は写真左から、 「中学受験! 合格する子のお父さん、受からない子のお父さん」(ウェッジ)「子どもの学力を伸ばす親、ダメにする親」(KADOKAWA)ほか、「わが子が勉強するようになる方法-2500人以上の子どもを超有名中学に合格させた「伝説の家庭教師」が教える超実践的な38のルール-」(アスコム)、 「中学受験基本のキ! 第4版」(日経BP)、 「中学受験やってはいけない小3までの親の習慣」(青春出版社)など多数。 また、中学受験情報サイト「かしこい塾の使い方」は、20万人以上のママたちが参考にしている。