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「考える力」を育てる「家庭の力」

「これからは、考える力を養うことが大切」という話を、皆さん、最近はどこかで聞いていることと思います。「考える力」の育成は、今年2020年度からスタートした新学習指導要領の大きなテーマのひとつであり、よく言われる「アクティブ・ラーニング」の土台になるものです。

でも、実際にどうすれば「考える力」を育てることができるのか?というと、なかなか難しいですよね。それに、こうすれば考える力が育つと言われる方法を取り入れてみたところで、本当にそれで考える力が養われたのかどうか、簡単にわかるものでもありません。
そこで、いろいろな専門家(教育評論家や学校の先生、進学塾の講師の方など)のお話を総合して、家庭で「考える力」を育てるなら、このようにするといいと思われる方法をご紹介したいと思います。対象は、幼児から小学校低学年までです。

 

■目次■


1,絶好のチャンスは、子どもの疑問(2020/04/27)

2,子どもの困った質問への対応法(2020/05/21)

3,coming soon おとなしい子の場合は?

4,・・・・・・・

5,・・・・・・・・


1,絶好のチャンスは、子どもの疑問

【STEP1】チャンスを見逃さないで!

まず、「考える力」を育てたいなら、機会を見逃さないことが大切です。

「考える力」を育てるチャンスとはどういうときか? それは、子どもが自分から何かに関心を示したとき、何かに疑問を持ったときです。

たとえば、「どうして空は青いの?」と聞いてきたときです。あなたなら、どんなふうに答えますか?

もし答えがわかっているなら、それを子どもにわかるように話してあげればいいのですが、そうでないときは、どうするでしょうか?

【STEP2】子どもが考える時間をとる

「ママにもわからないわ。どうしてなんだろうね? あなたはどう思う?」というふうに話を続けてみてください。おそらくお子さまは、大人が思いもよらないことを言ったりするでしょう。それを「何をバカなことを言って」などと遮らないで、しっかり聞いてください。なぜなら、そのとき、子どもは一生懸命に「考えて」いるからです。

子どもが何か言ったら、「ふうん、そんなふうに思うんだ。じゃ、ホントかどうか調べてみようよ」と、ママ自身がネット検索したり、一緒に書店に行って答えがのっているだろう図鑑や本を探すことにしましょう。図書館に行ってもいいですね。

【STEP3】子どもと一緒に答えを探す

ここで大事なのは、親も自分がわからなかったら、わからないと正直に言うこと。そのうえで、一緒にその疑問の答えを見つける行動に移ることです。

逆に、絶対にやってはならないことは、わかったふりをしたり、カッコ悪いのでごまかしたり、「そんなこと知らなくていい」と言ったりすること。どんな疑問に関しても、これを守ってください。

また、一緒に答えを見つける努力として、誰か答えを知っていると思われる人に聞きに行く方法もありますが、それは最後の手段としてとっておきましょう。まずは、親子で答えを見つける努力をすることです。

たとえば、ネットの検索窓に、「空 青い なぜ」などと入れてみます。これで「なぜ空は青いのか」が書いてあるページは見つかります。そのページに行って、そこに書いてあることを、声を出して読んでみましょう。

子どもにもわかるように説明してあるページもあれば、きわめて専門的科学的なページもあると思います。そのうちの最低2つぐらいを選んで、声を出して読んでみましょう。ママが、子どもの疑問にまじめに取り組んでいる姿勢を見せることも大切です。

そして、ママ自身、書いてある内容が「わかった」と思ったら、それをあなた自身の言葉でわかりやすく言い換えてあげるといいと思います。

説明している途中で、子どもが関心を失ったら、それはそれでOK。でも、大人のあなたが理解できる内容であれば、できるだけ最後まで読んでおきましょう。子どもの関心が違うことに移っていたら、「ちょっと待って。ママは、なぜ空が青いのか、きちんと知りたいのだから」と言って、待ってもらいます。

そうして、「ママはなぜ空が青いかよくわかったから、説明してあげるね。聞いてね」と笑顔で言ってみましょう。子どもが聞いてくれるようなら、大成功! 子どもが発した疑問から始まって、子どもが考え、ママが考え、その結果、親子で新しい知識を獲得するというプロセスが完了します。親子で知識を得た喜びを共有しましょう。

「考える」機会をたくさん作ろう

途中で子どもが関心を失ったときには、無理矢理連れ戻そうとはせずに、少したってから、「さっき、空が青いのはどうしてって言ってたよね。あの答え知りたくない?」と声をかけてみるとよいでしょう。それでのってきたら、説明をしてあげる。それでも乗ってこなかったら、次のチャンスを見つけることにしましょう。

「うちの子、すぐに飽きるからいつも中途半端で終わっちゃう」と嘆くママもいるかもしれませんね。でも、心配ご無用。子どもが発した疑問に親が一生懸命に取り組んでいる姿を見せることは、とても大切なのです。自分が聞いたことに答えようとしている親の姿を子どもは忘れません。そして、その姿をいつか真似するようになるでしょう。

以上、「考える力」を育むのに、効果的なステップは、1:子どもが発した疑問からスタートすること、2:子ども自身にじっくり考えさせること、3:疑問の答えを見つける方法を親が見せてあげること、というわけです。

さて、先ほど、答えを知っているだろう人に聞きに行くのは最後の手段と書きましたが、これは、ステップ3の親の取り組みを見せてあげることが大事だからです。ですから、ステップ3で納得できる答えが見つからないときは、親子で教わりにいきましょう。こうすることで、疑問の答えを見つけるあらゆる手段を、親が子どもに行動で示すことができます。

子どもが何かに疑問を抱いたときこそ、考える力を育てる絶好の機会であることをお忘れなく。次回は、子どもの疑問が答えがはっきりしない場合はどうするかについて。お楽しみに。

2,子どもの困った質問への対応法

どんな質問も決して拒絶しない

子どもは、時に、答えに詰まるような質問をしてきます。たとえば、「なんで男と女がいるの?」「人間はどうして死んじゃうの?」「なんでママはおばあちゃんが嫌いなの?」等々。そんなとき、あなたはどのように対応していますか?

まず、多くの専門家の方は、「できるだけ正確に答える」という原則とともに、「そんなこと知らなくていい」「そんなこと聞くんじゃない」「うるさい」など、質問することそのものを否定するような対応は絶対にやめようとアドバイスしています。

確かにそうですよね。親が質問を拒絶する態度を示すと、子どもは疑問を発すること自体をやめるようになってしまいます。前回書いたように疑問を抱くことは、自ら考えるきっかけになるのですから、質問を拒絶することは、考える力を育てる意味で最低最悪の対応ということになります。

まず、子どもが疑問を持った・質問をしてきたこと自体は、常に肯定的に受け止めて、そのうえで、答えに窮するような質問に対してどんな対応をすべきなのか、質問のタイプ別に考えてみましょう。

●専門家なら答えられるかもしれないけど、自分には答えがわからない質問

どうして地球は丸いの? 幼虫から成虫になるとき変身するのはなぜ?などといった科学的な質問や、政治経済に関する質問がこれにあたるでしょう。前回ご紹介したように、「私にもわからないから、一緒に調べよう」という対応が一番です。

中には、社会的にも意見が分裂していてどちらが正しいの?と聞かれても、ひとつの正解が見つけられない疑問もあるでしょう。そういうときは、意見が分裂していることも含めて説明してあげればいいのです。

●あまりに根源的で答えられそうにない質問

子どもは時に、「どうして宇宙は大きいの?」「人間はどうして地球上に生まれたの?」といった、まるで哲学的とも言えるような質問を発します。このような質問をしてきたら、まずは、「私にもわからない」と答えるとともに、こんなふうに、言ってみてはいかがでしょうか?

「たぶん、その答えは、今活躍しているえらい人たちにもわからないと思うんだ。でも、もしかしたら、あなたが大きくなっていろいろ研究したら、答えを見つけられるかもしれないね」と。子どもの頭の中で夢が膨らんでいくような言葉かけがいいですね。

●まだ知らなくてもいいと思う質問

性的な疑問、人間関係の疑問について、親としてまだこの子は知らなくてもいい、と思うような質問もあるでしょう。そういうとき、昔から親は、「大きくなったらわかるよ」というような言葉で逃げていました。確かに、精神的に成長することで自然とわかってくることは多々ありますから、これは一つの対応法だと思います。ただ、それでもなお、質問してきたら、ある程度は説明してあげましょう。結果、説明の内容が難しくて子どもが理解できないようであれば、子どもにも「大きくなったらわかる」ということが納得できるはずです。そして、少なくとも嘘をつくのはやめます。

性的な質問や人間関係の質問に対する対応には、個々の家庭の方針が大きく関係してきます。幼くても知っておくべきという方針ならば、他の質問と同じく正しく答えてあげればいいのです。

●心情的に子どもには答えたくない質問

「どうしてママとパパはよくケンカするの?」「なぜお祖母ちゃんはママにいじわるするの?」など、子どもに正直に答えるのは避けたいと思う質問もあるでしょう。こういった質問にどう答えるかは、あなたの心の状態に関係してきます。

子どもが聞いてきた瞬間の感情に支配されて、「だって嫌いだから」「元々私のことが気に食わないのよ」などと答えるのではなく、まずは理性的になってから答えるようにしてください。深呼吸を2、3回してからといった感じでしょうか? そのうえで、子どもがまだ知らなくてもいいと思うことであれば、「どうしてか、よくわからない」という答えもあると思います。

子どもは親の内心を察知することにかけて、天才的な能力を発揮します。たとえ一度も口に出したことがなくても、「ママはどうして○○さんが嫌いなの?」と聞いてくるかもしれません。そんなとき、内心「確かに嫌いだわ」と思ったら、子どもの質問をきっかけにあなた自身が、なぜなのか自問自答するきっかけになるかもしれません。

そして、「なんでだろうね。ママにも正直よくわからないの。考えてみるね」と答えてみるのもいいでしょう。もしかしたら、子どもはその理由さえわかっているかもしれませんよ。