Menu

「皮革かばんマイスター」が惜しみなく手間をかけて手作りするランドセル工房

ナガエかばん

どんなメーカー?

「いいものを少しだけ…」の精神を貫き、毎年、限られた数のランドセルを作る

ナガエかばんは、名古屋の小さなランドセル工房です。ランドセルの生産数も少なく、全国的に有名な工房系のように広く知られた工房ではありませんが、品質は折り紙付き。なにしろ、代表の長江幸雄さんは職人歴50年以上、しかも、全国で4人しかいない「レザーグッズマイスター 鞄部門」に認定された職人です。そのベテラン職人が、パートの女性に手伝ってもらいながら、丈夫で美しいランドセルをひとつひとつ組み立てています。ランドセルの品質は、全国的に見てもトップレベル。

ナガエかばんの工房

ランドセルの品質や機能は申し分ありませんが、もうひとつ、ナガエかばんを特徴付けているのがランドセルのフィッティングです。製品側で可能な限り背負いやすい形状や構造にしていますが、体型が微妙に異なる子どもたちの中には、どうしても少し合わない子がいる。そのため、背負い心地を大きく左右する肩ベルトは形状の違う3種類が用意されており、体型に合わせて選べます。時間的に余裕があれば、背カンの取り付け位置を少しずらして取り付けることもあります。さらに、入学間近になった際に、肩ベルトの付け根の金具を少し調節して、さらにぴったりとフィットさせることも行っています。

まさにオーダースーツのようなランドセルです。これも少量生産だからこそできること。いわゆる私たちが思い描く「ランドセル工房」のイメージに、いちばん近いブランドのひとつと言えるでしょう。

ランドセルへかける情熱

より美しく、使いやすく! 革を知り尽くしたマイスターは、とても研究熱心

長年にわたり、牛革製の高級ビジネスバッグやダレスバッグを企画製造してきた経験があるだけに、長江幸雄さんは革を知り尽くしています。同じ革でも、原皮の産地やなめし業者(タンナー)などによって違いがあります。ランドセルは200以上のパーツを組み合わせて作られますし、使う部位によって求められる革の性質が変わります。それらをすべて把握した上で、「カブセには○○産のコードバン」「教科書を入れる大マチには△△産の牛革」といったように、適材適所で使い分け、美しさと耐久性を高めているのです。

ランドセルのコーナーをくるんで補強する小さな革も、フチをより薄くすいたり曲がる部分に溝を掘ったりと、表からは見えない加工が施されています。より美しいランドセルにするための工夫です。こうした細かな手間は、世界の高級ブランドバッグに勝るとも劣りません。素材の選び方や使い方だけではなく、小さな部材の加工に至るまで、伝統的な技術を注ぎ込んでいます。

また、オーソドックスなスタイルの中に個性を盛り込むことにも余念がありません。その代表が、「小マチ」と呼ばれる部分。教科書を入れる「大マチ」の外側についている小さなポケットですが、ナガエのランドセルはここがラウンドしています。カブセを降ろして錠前を閉めたとき、カブセが美しいカーブを描くようデザインされているのです。これもマイスター独自の工夫です。

牛革スムースランドセル
牛革スムースランドセル
コードバン限定ランドセル
コードバン限定ランドセル
小マチがゆるやかなラウンド形状になっており、カブセが美しいカーブを描く。

しかも、定期的に国内外の鞄メーカーを訪れて製造現場を見学したり、皮革のなめし業者(タンナー)を訪れて素材に関する知見を深めたりと、いまだに技術の向上に余念がありません。視察旅行で良いものを見つければ(名入れ用の活字やラクダの革など)躊躇なく購入。フィレンツェで作ってもらった活字を名入れに利用するなど、視察の成果を少しずつランドセル製造に生かしています。職人歴50年以上の「マイスター」は、とても研究熱心なのです。

どんなランドセル

耐久性と凜とした美しさを併せ持つ。価格もリーズナブル

ナガエかばんのランドセルは、すべて本革製です。カブセに使われる素材は牛革とコードバンがありますが、本体(大マチ)は牛革です。牛革はニュージーランド産の原皮を長野県で加工・塗装したもの、コードバンはヨーロッパ産の原皮を兵庫県の業者が加工したもの、豚革は日本産のもの(東京で加工)、背当てに使う白い革はホルスタイン種の革といったように、優れた品質の革を適材適所で使い分けています。

ただし、ランドセルは子供が使うものですから、皮革製品好きの大人が持つ製品のように、こまめな手入れが必要な素材は使っていません。あくまでも、子供が気持ちよく使える素材を選んでいるのです。

1モデルあたり20~60本の少量生産ですが、モデル数は14と多く、各モデル共に6色(黒 、赤、ロ-ズ、紺、ピンク、チョコ)が用意されています。そのほか、ヌメのキャメル色のモデルもあります。

スタイルはオーソドックスな学習院型をベースにしていますが、カブセをフリル加工したコードバンランドセルや特殊な加工を施した牛革を使ったランドセルを限定生産するなど、遊び心のあるランドセルも発表しています。

フリル付きランドセル「フリフリ」
コードバン仕様のフリル付きランドセル「フリフリ」
特注の牛革で作る「コルトーナ」
特注の牛革で作る「コルトーナ」
どちらも手間がかかるため、限定生産です(フリフリは20本、コルトーナは10本)が、人気が高く、すぐに売り切れるようです。

手縫い部分が多いのもナガエかばんの特徴です。通常、手縫いというと、ベルトの取り付け部分だけというのが一般的なランドセル。高級品になると大マチ(教科書を入れる部分、本体)と背当ての接続部分を手作業で縫うモデルがありますが、かなり少数派と言っていいでしょう。ナガエかばんではさらに、本体の側面、つまり大マチの重ね合わせも、太い糸で手縫いしています。ここまで手縫い比率の高い工房は、日本では3~4程度と言われています。

大マチ部分の手縫い
大マチ部分の手縫い。ここを手縫いする工房は少ない
男の子向けの飾り鋲
男の子向けの飾り鋲(カブセ下)はサッカー、野球ボール、スターの3種類。

しかも、縫い目をきっちりと締めています。ランドセルの組み立てには接着剤も使われますが、それが不要なほどきっちりと縫ってあることが、縫い目からもわかります。手縫いの良さを存分に生かしているのですね。さすが「皮革マイスター」です。

デザインから細部の加工に至るまで、どこをとってもまったく無理がなく、ベテラン職人の技能をすべて注ぎ込んで作られたランドセルです。そのせいか、どのモデルも凜としたたたずまいが感じられ、とても美しい。オーダーかばんと同様、手間をたっぷりとかけて作れば手の届かない値段になってもおかしくはないのですが、ナガエかばんのランドセルは正反対。ベーシックな牛革モデルで7万円、コードバンモデルでも8~9万円台です。この価格は、はっきり言って安い。東北など遠方からわざわざ予約して購入する人もいると聞きますが、納得です。

ベテラン職人の手作りですから、それほど多くのランドセルを作れるわけではありません。しかし、品質の良さは折り紙付き。小学校卒業後にも使いたくなる、そんなランドセルです。

 

【ナガエかばん 2020おすすめランドセル】

◆マスター・エム SUA-20

皮革マイスターが作るだけに、ナガエのランドセルは、内張など一部に人工皮革を使ったモデルがあるものの、本体はすべて本革製です。どの製品も魅力的ですが、真っ先にチェックしていただきたいのが、黒、紺、赤、ローズ、ピンクの各色60本限定生産の牛革ランドセル「マスター・エム SUA-20」です。

マスター・エム コードバン(紺)

「もっとこだわりのランドセルはないか」という要望に応えて作られたランドセルです。カブセがコードバンで本体はスムース牛革の仕様と、すべてスムース牛革の仕様があります。内張とカブセ裏はブタ革です。つまり、すべての素材は本革。しかも、ブタ革には「吟ブタ」という、ブタ革のいちばん表側の部分を使用。ブタ革の中で、いちばん高品質な部分です。

ナガエのランドセルは、カブセの処理にもこだわりがあります。通常、断面を細い牛革または合成皮革で巻いて縫い付ける「ヘリ取り」という手法が一般的ですが、ナガエでは、牛革には革のフチを内側に織り込んで縫い合わせる「ヘリ返し」、コードバンは断面にニスを塗って磨き上げる「コバ塗り」という手法が使われています。マスター・エムも、この手法が採用されています。

限定モデルで人気が高く、毎年、早めに売り切れてしまうのが難点といえば難点。ナガエのランドセルを代表する製品のひとつと言っていいでしょう。

■価格
コードバン:85,000円(税込み)
スムース牛革:75,000円(税込み)

◆フリフリ R-32K

マイスターオリジナルデザインを施したカブセが話題のランドセルが「フリフリ」。女の子に大人気のモデル。カブセの下側のカットとステッチがとてもかわいいモデルです。

本当は作る予定はなかったけれど、試作を見た人たちから「欲しい」という声が殺到。マイスターが限定20本という少量生産でカタログに載せたモデルです。ピンクとローズが定番色ですが、2020年モデルでは赤が復活しました。

フリフリ(ピンク)

カブセの素材はコードバンが使用されています。理由は、モコモコとしたかわいいデザインを採用したためです。このデザインでは、「ヘリ取り」の手法は難しい。独創的なデザインを生かすには「コバ塗り」しかない。ということで、カブセを縫い合わせたあと、革の断面をカンナできれいに削り上げ、ニスを塗って磨き上げるコバ塗りで仕上げました。コードバンは革の組織が緻密なので、コバ塗り仕上げにふさわしいのです。

フリルのステッチはミシンで縫い付けられたものですが、ミシン目も細かく、一定で、マイスターの技量がよくわかります。かぶせの飾りも、フリルのかわいらしさを引き立てています。生産量が少ないモデルで、毎年、すぐに入手難になってしまいますが、ほかのどこにもないデザインのランドセルです。しかも、高学年になっても子どもが使いたいモデルでもあります。個性的なランドセルを探している人は、早めに予約したほうがいいでしょう。

■価格:93,000円(税込み)

◆タイガ B-43

男の子の定番色である黒に、ヌメ革をアレンジした個性的なランドセルです。ヌメ革はワンポイントのアクセントですが、黒とキャメルのコンビネーションが、センスの良さを感じさせます。男の子の心を引きつけてやまないモデルです。

タイガ コードバン(黒)

牛革モデルとコードバンモデルのふたつがあり、どちらも本革を贅沢に使用しています。コードバンモデルの場合をみると、カブセはコードバン、大マチ(胴体)はスムース牛革、キャメルのパーツは食用牛の革、背当ての白い革はホルスタインのもの、カブセ裏と内張には日本産のブタ革と、5種類もの革を使い分けています。しかもコードバンは、その質感から、コードバンのタンナーとして世界的に有名な新喜皮革で加工したものを使うというこだわりようです。牛革モデルはカブセの素材がスムース牛革となるだけです。

カブセ下の鋲は、自由に選べます。バランスの良いデザインと配色がさりげなく個性を主張するモデルですが、本革を贅沢に使っているだけに、耐久性でもピカイチ。6年間しか使わないのがもったいなくなるようなランドセルです。価格もリーズナブルです。

価格
コードバンモデル:89,500円(税込み)
牛革モデル:79,500円(税込み)

◆限定10本のコルトーナ

カブセの押さえ革が強烈なアクセントとなっているランドセルが「コルトーナ FF-100」です。全国鞄創作技術コンクール 日本商工会議所会頭賞受賞作品の、超個性的なランドセルです。全ランドセルを見渡しても、これだけ個性的なランドセルは少ないと思います。

マイスターが、これまでダレスバッグやビジネスバッグの製造で培った技術を余すところなく注ぎ込んだ作品です。キャラクターやデコレーションで個性を主張するのではなく、鞄の原点に立ち返って、本物の鞄を男の子に、というコンセプトで生み出した逸品と言えるでしょう。

コルトーナ

本体に使用されている牛革は、マイスターがこの作品のために特別にあつらえたもの。凹凸のある表面にグレーの塗料を塗った後、高圧をかけて凸部が黒くなるように加工してあります。結果、カブセ全体が光を乱反射し、つや有りやつや無しの通常の革とはまったく異なる風合いを生み出しました。

カブセの周囲やカブセ表面のベルト側面は、1週間かけてコバ塗り仕上げ。大マチの側面や背当て周囲に見える白い糸は、手縫いの部分。この糸は昔からある優れた素材ですが、残念ながら生産中止。そのため、廃業した鞄業者から引き取って使用するというこだわりようです。他にも、ランドセルには通常使われないテクニックが随所に見られます。

素材の入手から製造工程に至るまで、あらゆる手間を惜しまずに作られた製品だけに、生産量は限定10本。入手は難しいですが、男の子向けのランドセルで超個性的、しかも本格派の製品は少ない。見れば見るほど、入手したくなるランドセルのひとつでしょう。

■価格:100,000円(税込み)

◆スタンダードモデル

限定生産モデルを多く取り上げましたが、定番のスタンダードモデルの出来映えも素晴らしく、シンプルなランドセルを探しているのであれば、おすすめの製品です。

スタンダードモデル(牛革)

カブセに牛革を使った「STC-38」と、コードバンを使った「KBC-57」があり、内容は「マスター・エム」とほとんど一緒。違いは、サイドの反射材がないこと、内張が人工皮革だということだけです。内張の人工皮革は、オプション料金5,000円でブタ革にすることが可能です。

なお、スタンダードモデルとは別に、サイドの反射材を大きくした「リフレクターモデル SAA-38」もありますが、基本的な内容はスタンダードモデルと一緒。利用環境を考慮して選ぶと良いでしょう。

■価格
コードバン:80,000円(税込み)
コードバン:70,000円(税込み)


 

素材 ナガエかばんのランドセルに使用されているのは、内張を除き、すべて本革。牛革はニュージーランド産、コードバンはヨーロッパ産(ポーランドやフランス)といったように、さまざまな産地のものを日本国内でなめし加工を施し、色づけ・表面塗装を施しています。いずれも「皮革マイスター」が厳選した高品質な素材です。これらを、カブセ、本体(大マチ)、小マチ、肩ベルトなど、部位ごとにいちばん適した素材を選び、ランドセルは組み立てられています。内張も基本的に豚革です。これは、原皮も日本産で、加工は東京の墨田区の業者が行っています。しかも、豚革のいちばん表の高級な部位を使っています。美しさも耐久性もいちばん高い部位を使っているのです。内張は、一部に人工皮革を使ったモデルもありますが、豚革に変更することも可能です(有料)。
サイズ A4フラットファイルサイズ対応

各部の特徴

皮革マイスターが生み出す圧倒的な質感

小さな工房だけに、大手メーカーが次々と取り入れる細かな機能はありませんが、動く背カンや安全フック、背負いやすくする肩ベルトの形状、のポケットの使い勝手など、ランドセルに求められる基本的な機能はすべて網羅されています。その上で、高級バッグの企画・製造で培ったマイスターの技術が惜しみなく注ぎ込んで手作りされていること。それナガエランドセルの最大の特徴です。革パーツひとつひとつに細かな細工を施し、目に見えない部分にまで気を配っているため、とても優美な外観で、しかも力強さがあります。実際に手にとってみると、その質感の高さがよくわかります。

ランドセルのフィッティングにも力を入れる

ランドセルの背負い心地を大きく左右するのが肩ベルト。体格の違いが大きいため、ナガエかばんでは肩ベルト1種では対応しきれないと判断。3種類の肩ベルトを用意しました。お店に来られる人にはその場で確認、遠方の方には電話でお子さんの体格を聞いて肩ベルトを選び、注文書に記入。製造工程の最後の段階で取り付けます。
それでも完璧にフィットしないケースもあります。その場合は、肩ベルトの取り付け金具を曲げて、ぴったりと肩に合うよう調整してくれます。また、夏前に注文していただいたケースについては、11月以降に来店してもらい、肩ベルトの再調整を行うこともあるとか。むろん、お店に来てもらえる方限定ですが、とてもうれしいサービスです。

個性的なランドセルがある

ナガエランドセルは基本的にオーソドックスなデザインのランドセル。キャラクターデザインやスポーツブランドのランドセルのようなひときわ目立つデザインではありませんが、フォルムが独特で、細部のデザインが秀逸です。中でも人気の「フリル付きランドセル」は、限定生産ということもあって、毎年大人気です。このモデル、フチをコバ塗りという手法で作るため、カブセはコードバン製です。コードバンは、コバ塗りで仕上げるととても美しいのです。
しかも、ミシン目も手縫い同様、たいへんに美しい。大量生産品では作業スピードを上げるため、どうしてもミシン目の間隔が広くなりがちですが、さすが皮革マイスター。適度な間隔で、きっちりと締めて縫い上げています。手縫いの上手な職人はミシンを使っても上手なんですね。このデザインもマイスターオリジナルです。

価格帯
70,000円~100,000円
保証・アフターケア
6年間の品質保証付き。壊れたときは無償修理。ただし故意によるキズ・破損は、無料修理の対象外。
ナガエかばんの「ここが魅力」!
熟練の皮革マイスターがデザインから製造まですべて行い、フィッティングにも気を配っているところ。一目見ただけで品質の高さがよくわかる。作り方は昔ながらの手法だが、優美な曲線を描くフォルムがとても美しく、子ども受けも良い。
会社概要
社名 有限会社 ナガエ(ナガエかばん)
本社 名古屋市北区福徳町944
HP http://www.nagae-bag.co.jp/index.html
TEL 052-991-1058 / 052-991-1059
店舗 名古屋市北区福徳町944