
羅羅屋
どんなメーカー?
オーダーメイドの先駆け。今や製品の80%以上はオーダーメイドランドセル
[ララちゃん]ブランドのオーダーメイドランドセルで大人気のランドセルメーカーが羅羅屋です。値段が高いイメージのあるオーダーメイドですが、良心的な価格で作れることから、年々、評判はうなぎ登り。実際に5月、6月の、いわゆる「ラン活」最盛期に展示会やショールームを見学したことがありますが、どの会場でも、ランドセルに使うパーツの見本をとっかえひっかえしながら大勢のお母さんと子供が真剣に話し合っています。噂には聞いていましたが、その熱気に圧倒されるほどなのです。
会社設立は1974年。当初はランドセルの販売が専門でしたが、首都圏の幼稚園や保育園を対象とした熱心な販売活動が認められて[ララちゃんランドセル]のファンが増えてきました。多くの親子と接する中で、「羅羅屋らしいランドセルを作るには自社生産しかない」ということで、埼玉県の川口市でランドセル製造に踏み切りました。
その後、ランドセル選びは一生に一度のイベントなのだから、親子で世界にひとつだけのランドセルを作ってほしいと考え、ランドセルの各部を好みに合わせて自由に選べるシステムをスタートさせました。これが、ランドセルにオーダーシステムが採用された初のケースとなりました。
初年度の販売数は81本だったオーダーメイドランドセルですが、お母さんやお子さんの声に耳をかたむけてバリエーションを増やし、機能やオーダー方法に改良を加えていった結果、オーダーメイドランドセルの注文が急増。今や全生産量の80%前後がオーダーメイドランドセルとなりました。現在、オーダーシステムをとるメーカーが多数ありますが、その先駆けとなって市場を開拓したのが羅羅屋なのです。
2013年には会津若松市に主力工場を建設し、ランドセルを生産しています。川口工場だけでは手狭になり、新工場建設を検討していたとき、東日本大震災で被災した福島県が雇用促進のため企業誘致をしていることを知り、手を上げたのです。現地で数十名の雇用を生み出しました。
現在、生産拠点の主力となっている会津工場。工場見学にも積極的
また、地域貢献事業にも積極的に取り組んでいます。会津若松に工場を建設したこともその一環ですが、建設のコンセプトは“見せる工場”。その広い新工場の敷地を生かし、ランドセルの製造工程を見学するコースを設けたのです。日本の子どもたちが使うランドセルは、数ある鞄類の中でも製造工程が相当に複雑なバッグのひとつです。自分たちが使っているランドセルがどのように作られているのか知ってほしい、という願いで実施しています。
ランドセルへかける情熱
未来をになう子どもたちのために、ひとつひとつていねいに作る
ランドセルで大切なことは、子どもが気に入って、毎日楽しく使えること。そのためには、子どもが好む色を採用することはもちろん、身体への負担を軽くする機能も大切ですし、丈夫であることも求められます。
羅羅屋では、オーダーシステムで子どもの理想とするランドセルを作るシステムを構築しただけではなく、ランドセルでは初となるベルト交換システムを独自に開発しました。もちろん、ランドセルでは初。このシステムは、ベルト交換を可能にした「マジかるチェンジ背カン」と、2種類のベルトで構成されたシステムです(※特許取得済み)。
2種類のベルトのうち、ストレートなタイプは低学年用。「マジかるベルト」と名付けられたこのベルト、ソフトなネオプレーンを使用して作られており、身体の小さなお子さんでも負担が少ないのが特徴。身体が成長したらS字の標準ベルトに付け替えられるという優れものです。
オーダーメイドランドセルとセミオーダーの「スウィートパール」にはこの2種類が標準で付属します(コレクションシリーズは別売り)。変化の少なかったランドセルに、ドラスティックな変化をもたらした発明として、大きな注目を集めています。
しかし、流行や機能面の改良以上に強く意識しているのが、「未来をになう子どもたちのために、ひとつずつていねいに作る」ということ。これは、ランドセル製造を始めたときから変わらない羅羅屋のポリシーと言えるでしょう。
ランドセルはパーツ数が200前後と多く、カラーや機能にも流行があり、毎年、変化します。オーダーメイドランドセルとなると、1品ずつ仕様が異なりますから、製造工程はさらに複雑になります。しかし、羅羅屋では、各工程ごとにしつこいくらいの確認作業を行い、不良品を出さないように細心の注意を払っています。子どもにとっては世界にひとつだけのランドセルですから、手にとった製品に不具合があってはならない。そうした思いで間違いの起きにくいシステムを構築しています。
コンピュータミシンを使った刺繍(川口工場にて)
「6年間、お客様が使うことを、常に意識していますね」と語るのは、営業部の小西真史さんです。ランドセル選びは、子どもと両親だけではなく、祖父母まで巻き込んで選ぶ大切なもの。子どもにとって、家族一緒に選んだ世界ひとつだけのランドセルが、かけがえのない存在になってほしい。そんな願いを込めて、一つずつ手作りしているのです。
どんなランドセル
オーダーから既製品まで、全モデルにベルト交換のできる背カンを搭載
「ララちゃんランドセル」には、「オーダーメイドランドセル」のほか、「セミオーダーランドセル」と、スタンダードタイプの「ララちゃんコレクション」があります。
「オーダーメイドランドセル」は、本体の大きさや色、ヘリやステッチの色、内張のデザインや色などを自由に選べるランドセル。大きさは、大マチの奥行き12.5cmのワイドタイプと、10cmのスリムタイプがあります。いずれもA4フラットファイル対応です。
選べる要素は、大きさからオプションの刺繍まで含めると11。ランドセル本体の色は16色、ヘリは19色、ステッチの糸は12色、背当ては6色といったように、カラーバリエーションがとても多いのが最大の特徴でしょう。また、カブセのデザインやカブセ裏の模様、前ポケットのデザインも、豊富に用意されています。これらを組み合わせて、好みのランドセルを作れるのです。価格も、フルオーダーとしては、とてもリーズナブルです。
セミオーダーランドセルは、「スウィート パール」と名付けられたモデルがひとつ。パールとジュエリーカラーが魅力的なランドセルです。大マチの奥行き(12.5cmか10cm)、本体の色、ふたの裏、刺繍デザイン、ふたの鋲、背中の色、ネーム刺繍の、合計7種の要素で好きなものを選んで自分だけのランドセルを作る仕組みです。
本体のカラーは8色とフルオーダーに比べると少ないですが、そのぶん選びやすいでしょう。何よりも、キラキラ要素が好き、という女の子にお勧めのモデルです。
「コレクション」シリーズは、既製品タイプのランドセルです。「エンジェル・ララ」「キララ」「リボン」「VONDS(ボンズ)」「VONDS(ボンズ)スポーツ」「クルール」「クルール・プレミアム」の7モデルに加え、サンリオキャラクターとのコラボ企画により、ハローキティランドセルも登場しました。
「ララちゃんランドセル」の最大の特徴は、すべてのモデルに「マジかるチェンジ背カン」を搭載していること。肩ベルトの交換を可能にした背カンで、ボタンを押すとベルトが取り外せるのですが、不意にはずれないよう、ボタンを見えなくしました。また、子どもの力では簡単に取り外せないように、ボタンのバネが絶妙に調整されています(特許取得済み)。
ベルトの差し込み金具も含め、羅羅屋が3年をかけて、入念なテストをして開発した精巧な仕組みです。この結果、子どもの成長に合わせてベルトを交換するという、ランドセルとしては初の試みが実現しました。
用意されているベルトはS字にカーブした標準ベルトと、ストレートな「マジかるベルト」の2種類です。オーダーランドセルとセミオーダーの「スウィート パール」にはこの2種類のベルトが付属しています。既製品タイプの「コレクション」シリーズは標準ベルトのみ付属、別売マジかるベルトから好きなデザインを購入するという仕組みです。
なぜこのシステムを開発したのでしょうか。標準ベルトは多くの体型に合うように設計されていますが、身体が小さいと合わないケースもあります。「今のままでいいのか」という疑問を出発点に、身体の成長に合わせてベルトを交換するというアイデアを実現しました。
特に、ランドセルの重さや傷みをいちばん感じるのは、1年生のときです。そこで低学年向けの「マジかるベルト」はストレート形状を選び、素材もダイビングスーツなどに使われるネオプレーンを採用。ソフトな素材で子どもの負担をできる限り減らすよう工夫されています。羅羅屋で実際に背負ってみた子どもたちにアンケートをとったところ、約80%の子どもが「軽く感じる」「肩が痛くない」「気持ちいい」と答えたそうです。
このベルト取り外し機構は持ち手にも採用されており、必要に応じて取り付け・取り外しができます。カラフルでおしゃれなだけではなく、小学校6年間の全期間にわたって、とっても楽に背負え、使い勝手の良いランドセルなのです。
素材 | すべてのモデルで、繊維メーカーと共同開発した人工皮革「ベルバイオ5」を採用。軽く、傷や濡れに強いため、ふだんの手入れはほとんど不要。濡れたり汚れたりしたときに軽く拭くだけでOKです。「マジかるベルト」には、ソフトなネオプレーンが使われています。 |
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サイズ | A4フラットファイルサイズ対応 |