【子どもの準備7】入学前にしておきたいお勉強は?
たくさん知っている子のほうが心配かも
お勉強に関しては入学前からいろいろ教える必要はない…と言われても、“みんなについていけなかったらどうしよう”などと、どうしても気になってしまうママは多いようです。実際のところ、この年令の子どもの成長具合はひとりひとり大きく異なるので、知識がとても豊富な子もいれば、大人から見ると何も知らないのねとがっかりしがちな子もいます。でも、こうした違いがあっという間に縮まったり逆転したりするのも、この年令の子の特徴です。そして、このことを小学校の先生はよくご存知。親御さんも基本的には、うちの子は大器晩成なのと、おうように構えていたほうがいいと思います。
そういうわけで、勉強に関しても、前の記事でも書きましたが、子どもが小学校生活を送るのに(つまり親がそばにいなくても、という意味)、困らないようにしておくだけで十分なのです。逆に幼児教室などで、1年生2年生で教わることをすでにたくさん知っているという子のほうが少し心配。というのは、授業で教わることの多くをすでに知っていると、“学校ってつまらない”と思いかねないからです。そういうお子さまの場合は、小学校にいいイメージを与えるよう、入学前からうまくケアをしてあげてください。
座って授業が受けられるように…
さて、子ども自身が小学校生活で困らないために、勉強関連でいちばん気になることは何かといえば、おそらく授業中座って先生の話を聞くことができるかどうか、ということでしょう。これについては「読み聞かせが効果的」ということを、【子どもの準備3】でお話ししました。
でも中には、どうやっても落ち着いて座っていることができないというお子さまもいるかもしれません。小学校では、こうした子どもに対する対策もとられているので、入学してから担任の先生などにお話をしておくのもひとつの方法です。ただ、多くの子は、好きなことに夢中になっているときはおとなしく、嫌いなことを押しつけられると落ち着かなくなります。それは人間として自然なことなので、親だからこそできることは、学校が楽しいところ、授業は面白いものというイメージを作っておいてあげることです。日頃の親子会話の中で、ぜひ実践してください。
自分の名前と1~10まで。鉛筆を正しく握ること
落ち着いて授業が受けられること以外で、小学校生活を最初からスムーズに送るためにできたほうがいいと思われることは、【子どもの準備4】で書いた「時計が読めること」と、「自分の名前がひらがなで読めること」と、「数字の1,2,3,4,5,6,7,8,9,10がわかること」ぐらいでしょう。
それから見落としがちなこととしては、「鉛筆を正しく持てる」ようにしておいてあげること。これができているとお勉強のスタートが楽ちんだと思います。一緒にえんびつで名前を書いてみたりするといいですね。鉛筆は間違った握り方を覚えると、中学年・高学年になってから成績に影響しかねません。入学前でなくてもいいですが、正しい握り方をしているかどうかは、チェックしておいてください。
ただし、こうしたことを教えるのに、厳しくしつけるようなスタイルはよくありません。勉強嫌いになりかねないからです。子ども自身が大切にしているおもちゃやスポーツに関連させて、“これに自分で自分の名前を書けると便利だね”“大好きなチームが○点”といった形で教えてあげるといいでしょう。
「比べる」「脅す」は厳禁です!
そして、絶対にやってはいけないのは、「○○君くんは全部できるのに。あなたは」と他の子と比べたり、「こんなこともできないようじゃ、学校でバカにされるよ」などと脅すこと。どうしても、他の子のことが気になるママは、先にも書いたように、この年令の子の成長スピードには個人差があることを、何度も何度も自分に言い聞かせてください。入学時点で文字や数字がわからなくても、早晩わかるようになることは間違いありませんから。
小学校で教わることが楽しければ、確実にその子の学力はあがっていきます。でも、授業がつまらないものだと思ってしまった不幸な子は、一定のところまでは学力が伸びても、あるときぷつんと成績が上がらなくなってしまいます。だいたい勉強が難しくなる高学年の頃です。これは中学受験の指導をしている家庭教師の先生が断言していることです。子どもの成績が気になってしかたがないママさんは、よくよく気をつけてくださいね。
2020/12/26