【子どもの準備5】就学前健診は学校観察のいい機会
入学前年秋に、通う予定の学校で実施
公立小学校で入学前年の秋に実施される「就学前健康診断」。自治体の教育委員会が行うもので、秋に入ると、来年入学する子どもがいる家庭に、受診の日時、場所等を記載した「就学前健康診断のお知らせ」が届きます。通う予定の小学校で行われるので、上の子どもがいない場合、初めて親子で小学校に足を踏み入れるいい機会です。
「就学前健康診断のお知らせ」には、実施日時と場所とともに、主な病歴や予防接種歴を記入する書類やアンケートが同封されていることがあります。病歴などは母子健康手帳を出してきて、正確に記入しましょう。また、念のため健診当日も母子健康手帳を持参すると安心です。
健康診断は、身長、体重、視力や歯の検査、内科による健康状態の確認といった一般的なものですが、内容ややり方は各自治体によって異なります。親子で出かけますが、健診は子どもはお手伝いの小学生などに伴われて一人で受け、保護者は別室で説明を受けたり待機する自治体が多いようです。出かける前に「お知らせ」を見て何をするのか、お子さまに説明しておいたほうが安心です。また健診後、面接を行う自治体もあります。面接は、子どもだけだったり、親子一緒だったり自治体によって違いますが、簡単なものです。
指定された日時が都合が悪い、子どもの健康状態(アレルギーなど)や発育に関して心配なことがある場合は、事前に自治体のホームページを見て対応がどうなっているか調べたり、電話で問い合わせておきましょう。ホームページは、市区町村名+就学時健康診断という言葉で検索してみてください。
4月の入学前までに転居の予定がある場合は、現在住んでいる自治体、転居予定の自治体にあらかじめ問い合わせておきましょう。また、私立や国立の小学校に入学する予定の場合も、公立に入学する可能性が少しでもあるならば、自治体に問い合わせておいたほうがいいと思います。
何か困ったことや不安があるときは、そのままにしておくのはよくありません。自治体や相談できる人などに問い合わせて、きちんとどうすべきか解決するようにしておきましょう。
当日、忘れやすいのは、親子の上履き・スリッパとそれをいれる袋、それに筆記用具です。持って行く必要のある書類や母子手帳とともに、前日に用意しておくといいですね。服装は親子ともふだん着でOK。子どもはひとりで脱ぎ着できるものにしましょう。
また当日は、親が平常心でいることが大事です。親が何かの理由で緊張してしまうと、それが子どもに伝染し、いつもは問題なくできることもできなくなってしまうからです。下の子を連れて行くときは要注意。待ち時間などに飽きない工夫や赤ちゃん対策をしっかりしておいてください。
小学校を観察して入学準備に役立てる
「就学前健診」は、小学校の内部を知る絶好の機会。親子で小学校を観察することを、もうひとつの目的にしておきましょう。
子どもには、あらかじめ「来年から通う小学校に行くんだよ」「どんなところかな」「小学生ってどんな人たちかな」などと声をかけて、緊張をほぐし、ワクワク感を高めてあげておくとよいと思います。緊張しやすいお子さまなら、どんな健診を受けるのか、小児科での診察の体験を例に説明しておくのもいい方法です。ひとりで脱ぎ着するのが上手でないなら、練習しておいてもいいですね。
そして親としては、以下の項目を調べておくと、入学準備の参考になります。
・トイレは和式か洋式か
・ランドセルを入れるロッカーの形や大きさ
・上履きや体操服はどんなものか、指定があるのか、名前の書き方は?
・低学年の持ち物の量。ランドセル以外に何か持っているか、手作りのものはあるか
そのうえで、黒板や机、イスなど教室の様子、飾ってある生徒たちの作品など、親子で小学校の雰囲気を味わっておきましょう。子どもが興味を示したら、「あなたもあのイスに座って、机に教科書とノートを置いて勉強するのよ」「先生が黒板に大事なことを書いてくれるの」などと説明すると、入学への期待感が高まってくるでしょう。
逆に何かよくない印象を受けた場合は、いったんは親の心の中にとどめておきましょう。また、わが子がこの学校に入学するんだと思った途端、一気に疑問や不安が生じることもありますが、今回はあくまでも観察だけにし、気になることは年明けの学校説明会用にメモに残しておきましょう。
子どもは大好きなママのマイナスの反応にとても敏感ですから、ちょっとした言動でも入学への期待感が崩れてしまいかねません。通う予定の小学校に関する悪い印象や噂は、大人の世界だけで情報収集して解決策や対応法を探るのが賢明です。そして、子どもには、もうすぐ楽しい入学式が待っているというワクワク感をたっぷり味わってもらうようにしてください。
2024/09/23