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わが子基準の「入学準備」

【親の心の準備2】他の子と比べるより1年前と比べてみよう

1年前のわが子のこと覚えていますか?

わが子の新入学に向けて漠然とした不安を感じているようなときは、しなくちゃいけないのは何だったかしら?と考えるより、まずは心を静めて、わが子を見つめ直してみてください。これ、すごく大切なことだと思うのです。

【親の心の準備1】で、子どもの成長もその道のりも一人ひとり違うことを強調しましたが、実は、ママ・パパに関しても同じことが言えます。親の考え方も性格も置かれた環境も、一人ひとり違います。たとえば、フルタイム勤務と家事育児で毎日がいっぱいっぱいというママと、専業主婦で子どもとふたりだけで過ごす時間がとても長いママとでは、生活感覚も悩みの内容も大きく異なって当然ですよね。

だからすべてのママ・パパに同じように、こうしたらいいですよとお話しすること自体、少々無理があります。実際、「同じことを話しても、保護者によって受け取り方が違うので困ってしまう」と嘆いている教育関係者は多いのです。同じ話でも聞く本人の環境が違うと、違った意味にとってしまう可能性があるんですよね。

そんな中、よくよく考えてみて、これだけは就学前の子どもを持つママ・パパ全員にお伝えしたいと思うことが、ひとつありました。

それは、1年前のわが子を思い出してみようということです。

1年前と今を比べて、お子さまにはどんな変化がありますか? からだの成長はもとより、歩き方、走り方、しゃべり方、お友達との遊び方、親への反発の仕方など、この1年間でどれくらい変化があったでしょうか?

1年前の写真を見てみたり、ご夫婦で、ばあば&じいじと、お友達や近所の人と、うちの子、1年前はどうだったかしらと話してみるのもいいと思います。もしかしたら周囲の人からは、あなたが思っているのと違う感想が聞けるかもしれません。

1年前のわが子を思い出すことで、忙しすぎて、あるいは身近すぎて気づいていなかったことが、ひとつやふたつ、きっと見つかるでしょう。いつだって子どもは想像を超えた早さで成長して親をハラハラさせるものですから、一歩引いて長期スパンでふりかえってみて初めて、ああそうだったのかと気づくことがだいぶあるものです。

他の子と比べるよりわが子の成長を確認

「周りの子と比べるよりも、わが子の過去と今を比べてみよう」というのは教育の専門家がよく語るアドバイスです。わが子と周囲の子の今を比べることは、それぞれの子どもの成長の個性を無視することになるので、絶対に避けたいことなのです。

それに対して、わが子の過去と今を比べることは、その子ならではの成長過程を理解するのに役立ちます。これがわかっていれば、他の子の今と比べたときにも、それなりにブレーキがかかるでしょう。

とくに、周囲と比べてしまいがちな人や、何事も減点法で考えやすいママ・パパは、慌ただしい毎日にまぎれて、わが子のプラスの面を忘れてしまいがちなもの。ぜひ1年前のことを、いろいろと思い出してみてください。さらに2年以上前のこと、誕生当時をふりかえってみると、いつもとはひと味違った感慨が生じてくると思います。

それに、1年前をふりかえることで、これから来春までの1年足らずの時の流れにも想像が及ぶでしょう。来春、あなたのお子さまは、今よりずっと成長しています。親離れのファーストステップを踏み出すのに十分な成長を遂げているはずです。

大人は1か月前にできなかったことは、何もしないでいる限り、1か月後にもできません。でも、子どもは違うのです。いつのまにかできるようになっていることがたくさんあります。そんな子どもの素晴らしさ、可能性に気づくことは、小学校入学という親離れ・子離れのスタート地点に立つ心の準備として有意義ではないかと思います。


No1:第1子なら入学前不安は当然。解決方法は?
No3:勉強についていけるか不安なママへ
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